天台宗 醫王山 上願寺
岡山県岡山市にあります天台宗 ※1醫王山 ※2上願寺は天平勝宝年間(奈良時代末)に※3報恩大師により建てられたお寺です。
天平勝宝中草創 ※4栄西金山寺遍照院居住之 砌建久 5 年 (1194) 後鳥羽院の勅令に依り、開山 土御門院御誕生祈願所 本尊 ※5秘佛 薬師如来(寺社貞享録)足守藩主御殿の艮の方角即ち鬼門を護る霊場として尊崇されてきました。
岡山県の指定重要文化財の※6梵鐘は普門山清水寺に在りしもの忍山城合戦の後、上願寺へ移された。
上願寺略歴
奈良時代天平勝宝年中(750年代)、岡山市芳賀で生まれた報恩大師により開基。
鎌倉時代初期建久年中(1190年代)葉上僧正(後の栄西禅師)により中輿、室町時代後期に再興された。
現在の本堂は1834年(天保5年)に建立。吉備地区の修行道場であった。
足守藩木下家の祈願所(足守より東北になり鬼門になる)で、現在も寺の門に木下の家紋がついています。
本尊 薬師如来
本尊薬師如来は慈覚大師作、脇士の日光菩薩・月光菩薩・十二神将及び外陣にある
天台大師・伝教大師(最澄)の像は運慶作と伝えられる。
昔旅人が、出雲の国(現在の島根県)にある一畑薬師にお参りした際、備中(現在の岡山県)から来たことをつげると『備中には上願寺という寺に、すばらしい薬師様があるので、そちらへ参ってはどうか。』と話したとのこと。
※1 醫(医)王とは、薬師如来の別名
※2 上願寺 上願とは薬師如来の仏国土。(仏国土とは諸仏それぞれの浄土のこと)
※3 報恩大師 岡山出身で忘れてはならない宗教家の最初の人物。備前・備中地区に数多くの寺を建てる。
※4 栄西 岡山に生を受け、上願寺で修行をし上願寺の再興を果たす。臨済宗の祖。
※5 秘佛 上願寺秘佛の薬師如来は33年に一度しか実物を観ることができない。
※6 梵鐘〔県指定重要文化財) 麗美でなめらかな女性的形をしている貴重な作品である。